弥彦酒造 有限会社


新潟県弥彦村の弥彦酒造さんを訪ねました。
弥彦村に来たからには、地元の神様である「弥彦神社」に挨拶をしておかなければいけないと思い、凄い雪の中をお参りしてきました。
 

弥彦神社

あまりの寒さと、雪の為にカメラが傾いてしまいました


酒の感想

超特撰大吟醸

生詰の大吟醸酒です。生で貯蔵し出荷時に一度だけ火入れをしたもので、味、香ともに穏やかですが味わいのある逸品。口切り後すぐに飲んでしまうと、端麗過ぎて味が足りない感じがありますが、四分の一ほど飲んで冷蔵庫に2日おき、その後飲むと驚くほど旨みが出ていて、これぞ泉流のお酒です。
大吟醸に限らず、弥彦酒造さんのお酒は口切り直後はまだ眠っているようで、口切り後2日から3日たってから飲むのがほんとうの美味しさを堪能できます。


蔵の中

井戸 井戸

蔵の中に掘られた浅井戸です。
仕込に使う水もこの井戸からの水を使います。
汲み上げた水をフィルターにとおし、雑菌や不純物を取除いてから使用されます。
軟水系の水で、とてもきめ細かな感じの水でした。

精米機 精米機

米の周りの蛋白質を削り酒造りに不純物となる部分を除去します。
お酒の種類によって、削り方が違いますが、大吟醸酒では60%程削ってしまい、残りの40%を使います。

調湿器 調湿機(ちょうしつき)

精米した米は、精米時の熱で乾燥してしまいますから、普通はそのまま2週間から1カ月間放置し、空気中の水分を自然に吸わせ適度な湿気を持つようにします。
ここでは、調湿機という蔵元さん自作の装置の中に米を入れ、強制的に一定の湿気を持たせるようにしています。
この箱の中に棚が作ってあり、そこに精米した米を平らに広げ、箱の中は40度C程度に維持。同時に超音波過湿器によってできた蒸気を定期的に循環させます。
これにより、米が一定の水分を保持するため、後の工程の浸漬を簡単に行うことができます。

甑(こしき)
(こしき)

調湿器より出された米は洗米し、浸漬によって一定の水分になるよう吸水され、この甑(こしき)で蒸されます。
蒸器の親分みたいなものです。
引込み 掘出し(ほりだし)

蒸しあがったら、専用のスコップを使って掘出し、桶にいれて放冷器へ運びます。

放冷器 放冷(ほうれい)

掘出された蒸米は、この放冷機へ運ばれ、塊をほぐしファンで冷やされます。
冷やされた蒸米は、麹造りや仕込に使います。

製麹器 製麹機(せいきくき)

麹室(こうじむろ)の中にあるこの製麹機で蒸米を使って、麹を造ります。
酒造りの中で最も重要なのがこの麹造りで、お酒の元になる酒母や仕込みに欠かせないものです。

仕込

丁度、留添(とめぞえ)の最中でした。
大きなパイプの中にエアーを使って蒸米を通し、タンクに入れているところです。
タンクの上には、パイプの出口のところに金網があり、蒸米がタンクの外に飛散らないようにしてあります。
三段仕込の最後の仕込で、この留添した日を第一日と数え搾るまでの醪日数とします。
毎日醪の状態を分析し、日本酒度、酸度、アルコール度数、アミノ酸度などの数値を参考に、搾りのタイミングを決めます。
ベテランの杜氏さんになると、醪を口に含み味や香を利いても搾りのタイミングを知ることができます。

圧搾機 圧搾機(あっさくき)

搾りのタイミングを迎えた醪は、この圧搾機(あっさくき)で搾り、酒粕と酒に分けられます。薮田式と言われる圧搾機がよく使われます。
この圧搾機を使うと搾るのには手間がかかりませんが、日ごろの清掃が大変で、油断すると湿気のために黴が生えてきたり、腐敗臭がついたりします。
使った後、綺麗に掃除をし、充分乾燥させておかなければいけません。
この掃除を怠ったり、乾燥を怠ると搾った酒に薮田臭と言われる、独特の臭いがついてしまいます。弥彦酒造さんの圧搾機はとても綺麗に掃除がしてあり、臭いがまったくありませんでした。



社長さんです。自ら蔵の中で作業されています。