究極の米焼酎を造るぞ!Project

2001年3月

 

 

3月15日、天の狼の酒母の仕込があるので、佐賀県の小松酒造さんに行ってきました。
朝7時に家を出て、9時少し前に到着。
ちょうど、原料米の山田錦を蒸始めるところで、早速写真を1枚。
仕込配合の一覧表は渡してあったので、それ以外の細かな仕込温度のことや、醪の温度管理について打ち合わせを行い、山田錦が蒸しあがるのを待つばかりです。

 

山田錦を蒸しているところです。
放冷(ほうれい)

蒸しあがった山田錦を広げて冷まします。
早速蒸したてを食べて見ましたが、パサパサとしていて、良い蒸上りです。
山田錦のような酒造好適米は、食べても美味しくはありませんが、蒸上りがべたついていてはいけません。

引込み(ひきこみ)

蒸しあがった米を麹室(こうじむろ)へ入れる事を引込み(ひきこみ)といいます。
麹室へ入れたら平らに広げます。

種きり

蒸米の温度が30度Cほどになったら、種麹(たねこうじ)を降りかけます。
麹の種になるもので、今回は「黒判もやし」を使いました。

床もみ(とこもみ)

種麹を降りかけたあとは、蒸米にまんべんなく食いつくように、米を潰さない程度に揉みます。

床もみのあと、写真のように蒸米を集めます。
集めた蒸米を布で包んで、保温し、麹菌の繁殖がしやすいようにしてやります。
麹蓋(こうじぶた)

床もみから半日ほどたったら、固めておいた麹がくっついてしまいますから、それをほぐしてやる必要があります。これを切返し(きりかえし)といいます。
切返しのあと、写真のような麹蓋に盛ります。

出麹(でこうじ)

麹蓋に盛ってから、仲仕事、仕舞仕事と麹温度を調整し、引込みからほぼ2昼夜で麹が出来上がります。
このとき、ぬり破精麹(ぬりはぜこうじ)になっていないことが大事です。
ぬり破精麹とは、蒸米の表面にだけ麹が繁殖していて、蒸米の中に根がしっかり食いついていない状態のことです。

出麹

酒母仕込に使う麹を出しているところです。

仕込準備

今回の天の狼の仕込は、量が少ないため、酒母は写真のようにポリバケツで行いました。乳酸を入れているところです。

酵母

協会7号酵母を入れています。

酒母仕込完了

麹と蒸米を入れて酒母仕込み完了です。

今回酒母の仕込は、麹と掛米合わせて14kgという少量ですが、この後、酒母タンクにうつして初添、仲添、留添と行い、全体で総米量200kgになります。

 

今年は、「天の狼」最初の造りの年でもあり、極少量の仕込を行います。
酒母というのは、酒の元になるもので、全体量の7%ほどの量を仕込、完成した酒母に、麹、水、蒸米を加えて、量を増やしていきます。
「天の狼」の場合は、全体の米の量は200kgで、それを蒸留して、25度の焼酎が約500本ほどできます。

来年は、もう少し量を増やして見る予定です。

下に、「天の狼」を蒸留後カメ熟成させる穴蔵の写真を出しておきます。
15度Cから20度Cくらいの真っ暗な中で、ゆっくりと熟成させます。
細長いトンネルが奥まで続いていて、誰も一番奥まで入ったことがないそうです。

 

参考資料
酒母麹用蒸米引込温度 34度C
種麹 黒判もやし
酒母用出麹温度 43度C
酒母仕込温度 23度C
酵母 協会酵母701号

 

バックナンバー

2000年12月 「天の狼」Projectについて

 

Top Page

mail  mo-ca@sannet.ne.jp