究極の米焼酎を造るぞ!Project

2003年4月22日 

蒸留

 

 

4月22日

いよいよ3回目の造りになります。
午後1時過ぎに佐賀県の小松酒造さんに到着し、蒸留直前の醪を利いてみました。
利いた瞬間、おや?という感覚。
バランスの崩れた感じの醪に、不安がよぎります。
最終分析値を聞いてみると、日本酒度-4、酸度3.4とのこと。
これは、天の狼としての醪に問題ありです。
少なくとも日本酒度+10以上ないといけません。
この醪からいかにして「天の狼」の味を蒸留で引き出すかということが最大の課題。
悩んでもしかたないので、蒸留器に入った醪に「がんばってくれ」とお願いして、早速蒸留開始です。
醪の最終分析値は以下の通りです。
酵母 協会7号
アルコール度数 18.2 %
酸度 3.4
日本酒度 -4

昨年に比べ、かなりハンディーのある状況。
アルコール度数も低めで、垂れ歩合も気になります。

 

蒸留

昨年は醪の焦げ付きが起きたので、今年は同じ失敗をしないようにしなくてはいけません。
慎重に蒸気を出し、醪を暖めていきます。
醪温度40℃くらいのところで、垂れが始まるのを確認後、真空ポンプのバルブを閉めます。
このバルブを閉めると、醪が加熱され蒸留器内の圧力が上がってきて、減圧蒸留ではなくなりはじめ、醪温度64℃のところで、ほんの僅か真空バルブを開けます。
これで、醪が加熱され圧力が上がった分だけ真空引きする状況にします。
いったん止まった垂れがまた始まるのを確認。

この状態で初留、中留と採っていき、アルコール度数25%くらいのところから、真空ポンプのバルブを全開し、減圧蒸留にします。
アルコール度数12%が垂れ始めたところで、蒸留は終りとしました。
これまでの所要時間約2時間。
今年はとてもスムーズに蒸留も終り、蒸留後の利き酒をしてみると、心配していた味もよく出てくれてほっと一安心。


 

反省

今年は、醪のバランスが悪いわりには、良い味の天の狼が出来上がりました。
少しアルコール度数が低めの42%になったものの、品質には問題ありませんでした。

 

今年販売予定の「天の狼」

12BYの「天の狼 創世記」の利き酒をしてみました。
甕に入れて熟成させたこの焼酎は、初留とは思えないような味わいがあり、香りはエステル臭の刺激もなく、甘い香りに誘われて、口に含むと独特の甘さと旨みが口いっぱいに広がります。
アルコール度数43%を感じさせないまろやかな口あたりも、甕熟成のおかげでしょう。
試しに水で割って、アルコール度数25%くらいにして利き酒をしてみると、やわらかい優しさでつつまれた幸せな気分を味わえる不思議な焼酎になっていました。
予定では、原酒のまま5月下旬に300本販売します。
購入に関して詳しくは「名醸の酒蔵 やまなか」へおたずねください。

 

 

バックナンバー

2000年12月 「天の狼」Projectについて
2001年03月 酒母仕込
2001年04月 蒸留及び最終データ
2002年 4月 蒸留及び最終データ

 

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